桐朋学園Grand Concert inサントリーホール

サントリーホールでの桐朋学園音楽部門同窓会創立70周年記念事業 GRAND CONCERT〜TOHO Next Legend〜に行ってまいりました。

本当に素晴らしいコンサートでした。
3部あり3時間以上ありましたが、全く長さを感じさせず、充実した癒しの時間となりました。

アマービレ&ウェールズSQは幕開けに相応しく、大好きなメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲で幸福感に満たされる爽やかな演奏を聴かせてくれました。

続く、大谷奏介さんは中1という若さ。完成度高く正当的なショパン。
ハープの南波美月姫さんはお名前のとおり、お姫様のような雰囲気のある中2のお嬢さん、ハープは柔らかい響きが特徴ですが、メリハリのある演奏でその表現力をいかんなく発揮されていました。

チェロの渡邊怜音さんはベテランの清水和音さんのピアノにのって思い切りの良い爽やかな印象を残してくれました。バッグのお客様にも挨拶をするようにと清水和音さんから身振りで教えてもらった様子が微笑ましかったです。

ヴァイオリンの中野りなさんは、イザイの無伴奏ソナタ第6番を演奏。学生時代、友人が卒業演奏会で弾いていたのでよく耳にしていたことを思い出しました。難曲だと思いますが、素晴らしい技巧と音色で圧巻でした。高校生でもこんなにすごい演奏ができるのだなぁと魅了されました。

そして、ついこの間、ロンティボー国際コンクールで優勝した亀井聖矢さん、生で聴くのは初めてです。ゆっくりと威厳のある感じで登場。イスラメイは何度も弾いているだろうし「おはこ」だと思います。やりたいことが全部できる手と頭脳に恵まれていらっしゃるなとつくづく感じます。ライブ感もあってわくわくさせてくれる演奏でした。やはり素晴らしかったですね。

第2部は
郷古廉さんのシャコンヌ。説得力のある演奏でぐいぐい引っ張っていく感じです。のちのヴィヴァイルディの四季の春のソリストも務められましたがそちらも素晴らしく、昔のイ・ムジチ合奏団の演奏をよく聞いていた私としてはハイブリッドな感じとでもいいましょうか、馬車の時代ではなくロケットの時代?を感じさせるような斬新さのある演奏でした。

フルートのCocomiさんは木村拓哉さんのお嬢さんと聞きました。ファゴットの佐藤由起さんとオーボエの森松炎山さんとの三重奏。私は管楽器はよくわからないけれどとても息のあった演奏で、素敵でした。
Cocomiさんは黒のパンツ姿でクールな感じですが、笑顔がとても可愛らしく長い髪がものすご〜く綺麗でした。

さて、ここで高嶋ちさ子さんが登場し、「出演予定の三浦文彰さんの飛行機がスペインから飛ばなくなってしまい演奏会に間に合わない、代役として徳永二男さんがツィガーヌを演奏してくださる」とアナウンスしてくださいました。
徳永先生!!昨日その代役の話をきかれたそうです。
先生は76歳です!最初の音をシシ〜〜〜〜〜っと弾き始めた途端、私はものすごい衝撃を受けました。
その音楽魂というのでしょうか、とてつもなく大きな世界が広がっていました。
音程は少々不安定なところもあったのですが、そんなものはどうでもいい!とその音楽に圧倒されました。もう体の方が反応してしまい、ぞくぞく〜〜〜ときました。こんな感じは久しぶり。
すごいものを聴いたと思いました。

そして、生で初めて聞く高嶋ちさ子さんと12人のヴァイオリニストたち。
まあ、なんとみんな可愛らしくて楽しげなんでしょう。
トークも最高です。テレビでは時々拝見していましたが、これもすごい才能ですね。

そして第3部
弦楽合奏は、本当に聴くのが大好きな分野です。
ヴァイオリンとチェロの協奏曲では山根一仁さん、横坂源さんのアンサンブルが光っていました。山根さんは大変にオーラのある方ですね。

そして四季はこれまた大好きな曲です。4人のソリスト、郷古さん、小林美樹さん、服部百音さん、南紫音さん、皆それぞれに素晴らしかったです。若々しさに溢れ、テンポは早めでスッキリした演奏でした。

最後の弦楽セレナーデは桐朋生にとっては大変ゆかりのある曲ですね。
私もサイトウ記念オーケストラの演奏をカセットテープに入れてよく聴いておりました。
ここでは郷古さんがコンマスを務められましたが、なんとその後ろの後ろに徳永先生が座られて、私は徳永先生の方により近い客席にいたので、そのすごい音が聞こえてくるのでした。
もちろん、合奏ですから徳永先生の音もオケの音として溶け込んでいます。でも、でも、聞こえてくるんです。
みなさんお互いを聞き合って、自分の音をそこへ溶け込ませ、実に能動的に積極的に素晴らしいアンサンブルを聴かせていました。
第3楽章のエレジーにさしかかった頃、私の目からは涙がポタポタとこぼれ始めました。
音楽はこんなにも多くの言葉にできない感情を含んでいるんだ、という思いが頭をよぎり、これほどの「愛」に共鳴すれば戦争などなくなるだろうに、という思いも浮かんできました。
弦楽器の合奏は密なつながりを感じ、連帯感を味わえる格別な世界なのだと思います。
普段ピアノを一人で弾いているピアニストから見ると嫉妬を覚えるほどです。
本当にうらやましい!!!

きょうはこのような素晴らしい演奏会を聴きに行けて本当によかったです。
出演者の皆様、企画してくださった皆様、本当にありがとうございました。
桐朋学園に乾杯!

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