緊張と弛緩

愛知芸大の試験も近づいてきました。皆さん、最後の追い込みにかかっています。
ここぞという時に集中しなければならない難しさ、そして集中には限界があり、そのタイミングをうまくもっていくことの難しさ・・・。
一言で「集中して」とか、言うのはたやすいですが、予想されない出来事はたくさんあります。
特にピアノは1台1台違うので、普段弾き慣れている楽器とは限らない、部屋の響き具合、自分の体調・・・。どんな場合でも自分の全精力を傾けて対処していかなくてはなりません。
いい演奏をしたいと願えば願うほど緊張も大きくなります。
そして、そういう難しい局面に直面したとき、本当に人は自分の弱さに直面し、道のりのあまりの遠さに愕然とするのではないでしょうか?
私の周りには素晴らしい演奏をなさりながら、大変謙虚な方がいらっしゃいます。
きっとそこまで到達してもまだ、先の道のりがあることをご存知なのでしょう。
そういう人は、優しいです。ただ優しいだけでなく、厳しさがありながら優しいです。
でも「完全なもの」なんてないのでしょう。
また完全を求めても人は人であるが故に「完全」には到達できません。
せいぜい「よりよい」ものを目指すといったところでしょうか。
私はフィギュアスケートを見るのが結構好きなんですが、オリンピック代表になれるかどうかの大事な試合で鈴木明子選手に試合の前にコーチが「かこつけるな」とおっしゃったそうですね。
いい緊張はなくてはいけませんが、不必要な過度な緊張は禁物です。
それをほぐす素晴らしい一言だと思いました。
その個人個人にあった、よいメッセージを贈れるような先生になりたいものです。

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