イーヴォ・ポゴレリッチの演奏会に行きました。
twitterで情報を得ていたので、ポゴレリッチの練習風景?を聴くべく開場とほぼ同時に会場に入りました。
ポロンポロンとピアノが聞こえてきます。
私服姿のポゴレリッチが舞台上でリハーサルを行っているのでした。
どんな風に彼の頭の中が動いているのか、とっても興味深かった。
ショパンの舟歌の右手の細かく動くパッセージ、何度も繰り返していました。
そんなに繰り返すの?というくらい執拗に。
ベートーヴェンの16分音符はスタカートでゆっくり。
全体的に音は小さくしての確認のように感じられました。
帽子を被り、赤いマフラー巻いて、ズボンはグレーでダボダボ。
開演10分前になって舞台袖から女の方が呼びにいらっしゃいました。
ポゴレリッチはゆったりした足取りで袖に引っ込んで行きました。
時間となり会場アナウンスが男性の声であり「英語の場内アナウンスはポゴレリッチさんです」の後に、なんと!ポゴレリッチさんのお声で「Wellcome・・・・Please enjoy!」とアナウンスがありました。びっくり。
そしてポゴレリッチ登場です。
譜面をたてて、譜めくりの男性が横に座ります。
バッハが始まりました。
最初の連打からなぜか音が二重に聞こえるような感じで、その響き具合に違和感を持ちました。
私の席は舞台上のピアノのお尻の延長上にある二階席。
ポゴレリッチのお顔が見えます。
舞台の反響なのか、もしやPAでも使ってる?ということも頭をかすめました。
(先日、オケのソリストでPA使うことありますよ、と弦楽器の方から聞いたのでした)
あと、左手と右手を微妙にずらして弾いているので、打点が1回でなく二回に聞こえるのか・・・すごく不思議な音響でした。
席のせいかもしれませんが、これもポゴレリッチマジックのひとつなのでしょうか?
音楽はまるで10本の指がポリフォニックに動く時、まるで10人いるのかと思うほどの引き分け、
音色の違いは神業です!
強弱の奥行きはある伴奏部分は隣の部屋(いや、ホールの舞台袖の奥の方とでもいいましょうか)から聞こえてくるのかと思うほどでした。
先が読めない演奏でもあります。
こうくるかな、というのが全然わからない。
普段は大体、こうくるな、というのがわかる演奏が多い、そこでピタッとくると納得させられて共感を覚えるものです。
ポゴレリッチは何か私の知らない言語で話すような感じとでもいいましょうか。
すごいことをやっているというのはわかる。
天才です。
アンコールはなし。
丁寧に四方にお辞儀をされてゆっくりとした足取りで舞台袖に消えていかれました。
一言で言うと凄かった〜、なのですが、それを伝える語彙力も文章力も持ち合わせていないのでもう遅いし、これでおしまい。
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