すでに彼女の演奏はYoutubeなどで少し聴いていたし、ショパンのワルツ全集は私の愛聴版。
でも生の演奏会は聴いたことがなかった。
多発性硬化症という難病を発症したというニュースはとてもショックだったし、心配もしていた。
デュプレのようになってしまうのか・・・・・聴けなくなってしまうのか・・・・と。
そんな矢先、日本ツアーの情報を知り、絶対に聴かなくては!と5/30 サントリーホールまで出かけていった。
今回はショパンの24の前奏曲集に現代に作曲されたプレリュードを織り交ぜ、しかも映像が流れる65分休憩なしのプログラム。
フルのコンサートはやはり体力的に難しいのかな・・・・なんて勝手に思っていたが、それは杞憂に終わった。
プログラムによると、素晴らしい医者と治療法に出会い、現在病気の影響を100%受けていないという。
さて、会場は大きなスクリーンの前にピアノが置かれ、アリスさん、いつものように裸足で登場。
そしてまずはトークから。
パンデミックで久しぶりの多くの聴衆の前で話すことに緊張している、とのことだったが、元気な声を聞くことができて本当によかった。
そして映像付きの演奏が始まった。
始めは宇宙の星を感じさせる様な映像をバックに演奏されたフランチェスコ・トリスターノ作曲のIn the beginning wasという曲。
最初の音からホール全体が広い宇宙になった。美しい音、煌めき、広がり、情熱、いや、もう言葉では表せない。
すっかりこの曲の魅力にはまり、演奏会後、YouTubeで聴いてみたけれど、あのライヴの素晴らしさは唯一無二のものだ。
アリスさんの演奏はCDよりライヴが格段にいいのではないかと感じた。(CDがよくないという意味ではない)
ショパンの前奏曲も様々なピアニストの演奏で聴いているが、今まで聴いたことのない新鮮さをもって聞こえてきたのは驚きだった。
他の誰とも違う方法で納得させられた。
映像も素敵だった。
こういう世界を表現したかったのだなとコンセプトがはっきり分かったし、それが65分休憩なし、という超大作だったのだとわかった。
こちら、今回のEchoes of lifeの動画。
それにしても、体はスリムではあるけれど、手にはこれ以上望めないのではと思うくらい恵まれていると思った。
技術的には完璧だ。弾けないところがないと思われる。
演奏が終わった時には大変強いインパクトが残った。
すごいものを聴いたというなんとも言えない大きな感動に襲われ、号泣してしまいそうなほどだった。(こらえたけれど)
これからも元気で弾き続けてほしい。
たくさんの演奏作品を残して欲しい。
あの空間にいられたことに感謝です。
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