私は3歳までまわりに同じ年頃の子供がいないというちょっと特殊な環境で育ったのでしたが、父の転勤により、祖母宅を離れて両親と水入らずの生活を東京の社宅で始めることになりました。
幼稚園にも通い始め、そこで先生がお遊戯で弾いてくださっていた「ピアノ」という楽器に初めて出会います。4歳の私は、毎日毎日、ピアノ買ってぇ、と両親にせがんだそうです。しかしうちにはピアノを買う余裕はなかったのでまずはオルガンを買ってもらいました。
そして母が某音楽教室に入れようと申し込んでくれたのですが、電子オルガンを前に集団で「ど」「ど」と音を鳴らすレッスンに飽き足らず、そこは2ヶ月でやめてしまいました。
ある日、母が歯の治療を受けていたところ、その歯医者さんの2階からピアノの音がきこえてくるではありませんか!母が聞いたところによると歯医者さんの娘さんがピアノを教えているとのこと。私は4歳8ヶ月でひょんなことからその歯医者さんの娘さん、根上(当時は花田)倫子先生に教えをうけることになりました。メトードローズやバイエルから始め、ぐんぐんと吸収し、レッスンの最後には小さなシールを1枚貼っていただくのが楽しみで仕方ありませんでした。
小学生になろうかという時に父の転勤で大阪にいくことになり、東京の根上先生の元を離れることになりましたが、また小学3、4年生は東京に戻り、その頃は根上先生の師匠でいらした安倍先生の発表会に特別に出演させていただいたりしました。
大学生になると「うちの子供たちにレッスンしてやって」と頼まれ、先生の娘さんと息子さんのピアノのレッスンに町田のお宅まで何度か通いました。
ある時ボーイフレンドを連れて行ったことがありましたが「あの方は貴女にはダメ・・・・」というようなことをおっしゃり、結局のところ先生のおっしゃる通り「ダメ」になりました。笑。
私が演奏活動をするようになると、いつも来てくださり、勇気の出る温かい言葉をかけてくださいました。体調が悪く、身体中に湿疹が出てしまった時には、健康食品を送ってくださったり、光線の機械を貸してくださったり、本当に母親のような愛情をもって接してくださいました。
優しいご主人さまといらっしゃる時などはとてもチャーミングな先生ですが、時にはピリッとしたことをおっしゃることもあり、身の引き締まる思いをしたこともあります。
そんな先生とのお付き合いはなんと半世紀以上にもなりますが、このたび、根上先生がゆかりのある方を集めて演奏会を企画してくださり、私もそこで演奏させていただくこととなりました。
根上先生が繋いでくださったご縁、声楽の田川理穂さんはYouTuberとしても大活躍で素敵なメゾソプラノの声をお持ちです。歌ってくださるのは「カルメン」!とても楽しみです。
他にも素敵な演奏家がたくさん出演しますので、ぜひぜひこのジョイントコンサートに足を運んでいただけましたら幸いです。
当日はもちろん根上先生が客席にいらっしゃいますので、何よりも先生に喜んでいただけるよう、ただいま準備に一生懸命な毎日です。終演後はもしかしたら先生と共にちょっとしたトークもあるかと思います。
楽しいコンサートになりそうですから、どうぞご期待ください。
という私は、現在カプースチンにものすごく手こずっています。この苦しみはモーツァルトの時の苦しみとはまるで違います。
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